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南京鋼鉄
Nanjing Steel
2013.5.3
レポート :  【 2013.5 】
         
    南京鋼鉄では、長年の採掘に伴い 冶山砿の砿脈が枯渇しつつあり、打開策として 観光鉄道化 と 砿山公園開設 に向けた準備を 進めているという話を聞いていました。

観光鉄道になる前に 一度は訪問してみたいと思っていましたが、冶山砿が操業していなければ 砿石列車も走るはずもなく、状況が判然としないなかで どうしたものか?と悩んでいました。

このため、当時 上海在住であった ガイドさん(石井清史氏)に ご相談していたところ、 南京出張時に 冶山砿まで足を伸ばしていただき、操業中であることを 確認して来てくださいました。

そこで、ようやく 南京鋼鉄を訪れる決心がつき、5月の連休に 案内していただきました。
   

 
  ガイド氏の運転するレンタカーに乗せてもらって、まず最初に、砿山のある 冶山 を訪れました。

朝9時、冶山駅構内には 青い箱型ディーゼル機関車が停車していました。

2008年製のJMY380型で、正面には「紅旗机車」という標記がありました(江蘇今創車輌製 08号機)。
     
  先に進むと、青いL型のディーゼル機関車(JMY180型)が停まっていました。

こちらにも「紅旗机車」の標記があり、2008年 江蘇今創車輌製という銘版が付いていました。

なお、上の箱型ディーゼル機関車と同じ ”08” というナンバーが ペイントされていました。
     
  更に奥に進むと、シェッドの下に 蒸気機関車(C2型)が  停車していました。

蒸気機関車 1両 を、将来の観光輸送に向けて 購入した というニュースを読んでいましたので、見ておきたいと 考えていたところでした。

しかし 重油炊きに改造されており、ガイド氏ともども ガッカリ しました。
 
正面には「紅旗」というヘッドマークが付いていました。

またサイドには「2010年12月 牡丹江市 国晟機械廠 検修」という銘版が貼ってありました。
     
  最も奥まったところにある 車庫には、L型の小型ディーゼル機関車(ZN120型)が停まっていました。
     
  鉄砿石を採掘している砿山は、冶山駅の南側にあり、のぞいてみることにしました。

短い距離ですが、立坑と積替施設とを結ぶ 軌間600mmの電化軌道があり、L型の電気機関車が活躍していました。


 
     
  こちらの立坑には、 なぜか作業員の姿が見当たりません。

セメントにまみれた ナベトロ も停まっていますので、工事中かもしれません。
     
  六合からの空車列車が、11時過ぎに 冶山にやって来ることがわかりましたので、少し戻って、景色の良い場所を探してみることにしました。

林に囲まれた 張崗と呼ばれる地点が 気に入ったため、ここで撮ることにします。

やがて やってきたのは、冶山駅構内に停車していたのとは、形態・色分けの異なる JMY380型 ディーゼル機関車でした。
 
     
  冶山に向かう この列車を、レンタカーで追いかけて行きます。

冶山の2kmほど 手前に 踏切があり、その近くで撮りました。
     
  こちらの鉄道の 箱型ディーゼル機関車は、いずれも 片運転台タイプです。

このため、起点の冶山では ターンテーブルが設置されていて、機関車は 方向を転換していました。

一方、終点の六合では、デルタ線で方向転換していることが、後になって わかりました。
 
     
  戻りの砿石列車が、12時過ぎに 冶山を出発することがわかりました。

再び 張崗 に行き、列車の通過を待つことにしました。
     
  続いて、走り去ってゆく 砿石列車を 冶山鎮の外れで 俯瞰撮影してみました。

この角度からは、この機関車が片運転台であることが 良くわかります。
 
     
  更に南に下ったところにある 踏切で待ち構えていると、職員が 二人がかりでフェンスを持ち出し、交通を遮断し始めました。

やがて、警笛を鳴らしながら 砿石列車がゆっくりと通過して行きました。

線路をよく見ると、レールが敷き詰められていて、どのレールがダミーなのか 一見しただけではわかりませんね。
 
     
  南京の市街地に入ると、交通量も増え 車が渋滞に巻き込まれたこともあって、終点の六合に着いた時は、既に 砿石列車は到着し 折り返しの空車列車も発車してしまった後でした。

到着した貨車の入換作業を行なっていたのは、治山の車庫で見たのと同じ ZN120型 のディーゼル機関車 でした(06号機)。
     
  ZN120型は、今では少なくなった ロッド式のディーゼル機関車です。

慌ただしくロッドを動かしながら、貨車の入換に活躍していました。
     
  鉄鉱石は、ここ六合で貨車から降ろされた後、ダンプカーによって 工場へと運ばれていきます。