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興隆森林鉄路
Xinglong Forestry Railway
2011.5.1-2.前編
 
レポート : 【 2011.5.前編 】 【 2011.5.後編 】 【 2012.12-準備中 】 【 2013.5,前編-準備中 】 【 2013.5.後編-準備中 】 【 2013.12 】
         
   
興隆林鉄では、沿線住民の利便を図るために、レールバス を運行していることが 知られていました。

そこで ハルビンの旅行社を通じて 現状を調べてもらったところ、今も 興隆鎮駅と和平駅の間を 片道5時間かけて 1日に2往復 運行していることが確認できました。

何とか全線を乗車したいと思い スケジュールを検討した結果、朝 ジャムスから高速バスで方正という町に行き、その先は 乗合の小型バスかタクシーを使えば、何とか 昼前に 終点の和平駅に辿り着けそうなことが わかりました(レールバスの発車時刻は 12時40分)。

当日の朝、方正から先は 小型バスに乗車できましたが、乗客達の求めに応じて あちらこちら寄り道をして進む一方、私の方は 村外れの線路も見当たらない場所で降ろされてしまい、一体どうしたら良いのか?と不安になりました(もっとも 運転手の指し示した路地が近道だったらしく、先へ進むと線路が見えてきましたが)。
 
   

 
  何とか無事に辿り着いた 和平駅の構内には、駅舎やプラットホームは勿論のこと レールバス乗場の案内表示も ありません。

本当に ここで 乗れるのか?と 閑散とした構内で心配しながら 待っていると、11時半に レールバスの姿が見えてきました。

朝 興隆鎮を発車して、ここまでやってきた 便です(211次 74号)。

今まで どこに待機していたのか、線路上には 職員も姿を現しました(手前 左)。
 
     
  レールバスが 構内の特に何もない所で停車すると、4-5名の乗客が 下車し、皆 足早に立ち去って行きました(211次 74号)。

乗客を降ろし終えた レールバスは、構内に作られたデルタ線に バック運転で入って行きました。

なお 周囲には、防雪用の丸太が 物々しく 立ち並んでいて 冬期の気候の厳しさが 窺い知れます。
 
     
  こちらの写真は デルタ線から 再び本線に 出てくるところです(74号)。

バンパーに乗っているのは 先ほどの職員で、バック運転時の安全確認や、デルタ線のポイント操作を行なっていました。
 
     
  方向転換を終えた レールバスを停車させると、運転士達は、どこかへ立ち去ってしまいました(恐らく 昼食休憩では?)。

付近で 暫らく待っていると 12時15分には 1人目の乗客が やってきました(214次 74号機)。


 
     
  先客に続き、私も レールバスに乗り込むことにしました(214次 74号)。

車内は 客室と運転室が 完全に隔てられた構造です。

ガラス越しに 運転席の写真を撮っていると、戻ってきた運転士が 声をかけてくれました。

「この森林鉄道に乗ってみたくて、日本からやってきました」 と言うと、とても喜んでくれて 助手席に座らせてくれました。
     
  定刻の 12時40分が近づくと、運転士は エンジンを始動し、発車前の指差確認を行ないます(カメラを意識していたかも? 214次 74号)。

いよいよ 146 km に及ぶ レールバスの旅が始まります。
 
     
  発車後30分ほどは、平坦な畑地のなかを走り抜けて行きました。

写真は、13時25分に 通過した 124km地点(興隆起点 以下同様)にある 八道駅です。

かつては、この駅で分岐して 奥に向かう支線があった みたいです(右手 台車の先)。

八道駅の先は、周りに林や丘が多くなります。
     
  13時35分に 大平林場(119km地点)を通過しました。

ここが、木材の搬出作業を行っている拠点です。

険しい山はありませんが、集材側線や索道設備 ・貯木場が揃っていて、森林鉄道 らしい雰囲気の場所でした。


 
     
  その先を5分ほど進むと、大平站(117km地点)の広い構内が見えてきました。

レールバスの到着を待つ人達の姿があります。

先ほどの林場とは 少し離れた場所にありますが、静かで好ましい感じの站でした。 


 
     
  13時55分に到着した 青峰站(109km地点)では、自走式のトロッコクレーンが 交換待ちをしていました。

今季の運材列車の運用は 既に終了しているものの、線路脇に残された木材を トロッコクレーンを使って回収しているそうです。

 
     
  14時55分に 新民駅(82km地点)へ着くと、運転士は 線路上に降りて行きました(214次 74号)。

取り残される心配がないため、私も 後をついて外へ出てみることにしました。

職員達は レールバスの下回りを見ながら 何やら話しあっていました。

もし不具合があって 途中で故障したら? と、余計な心配をしてしまいます。

後方に見えているのは、香磨山水庫というダム湖です。


 
     
  間もなく、前方から レールバスが近づいてきました(73号機)。

この駅で交換するようです。
     
  やってきたのは 臨時便のレールバスで、塗装も異なる やや小型の車両でした(左 73号、右 214次 74号)。
     
  沿線では最も大きな街である 東興站(72km地点)に到着したのは、15時20分でした。

この駅から大勢の人が乗車し、座れない人まで出てきました(214次 74号)。

レールバスが、地元の人達の大切な交通手段であることがわかりました。
     
  16時15分に到着した 周郷駅(47km地点)では、タブレットを携えた職員が 到着を待ち受けていました。

この後 待避線に停車中の 同型のレールバスが、後ろに増結されました(71号機)。
 
     
  背中合わせで 連結された 2両編成のレールバスが進みます(214次 74号+71号) 。
   
2両目は、後ろ向きの座席配置になるためか 不人気で、こちらに乗り換えた人は わずかでした。  

17時過ぎの撮影です。
     
  17時45分に、終点 興隆鎮站に到着しました(214次 74号+71号)。

駅周辺は 林業局による再開発が進み、きれいに整備されています。

これで 5時間に及ぶ旅も終わりです。 

運転士にお礼を言ってから、彼に紹介してもらった 近くの旅社へと向かいました。


 
     
  車内で買い求めた乗車券です。

"快車専用"(レールバス専用)のもので、背景には 森と鉄の2文字が交互に描かれています。

和平から 興隆鎮までの料金が 22元とあって、20元と2元の2枚の切符を手渡されました。

料金によって 所定の位置で切符を切り離す仕組みです(右列の金額が 先方の控えとして残ります)。